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イギリスとEU 自由貿易協定
12-25 交渉で合意 関税回避
イギリスとEU=ヨーロッパ連合は、ことし1月にイギリスが
離脱したあと続けてきた自由貿易協定などの交渉で、24日
合意に達し、双方の間の貿易に年明けから広く関税がかかる
事態は避けられることになりました。
イギリスのジョンソン首相とEUのフォンデアライエン委員長は
24日午後、それぞれ記者会見し、自由貿易協定の締結などで
合意したと発表しました。
フォンデアライエン委員長は「長く曲がりくねった道のりだった
が、われわれはついに合意に達した。
合意は公平で、バランスのとれたものだ」と意義を強調しました。
そのうえで「合意はイギリスの利益にもかなうと思っており
古くからの友人と新たな関係を始めるうえでの強固な基盤になるものだ。
『ブレグジット』は過去のものとなり、ヨーロッパは前に進み続ける」
と述べました。
ジョンソン首相も「われわれはこれまでで最大の貿易協定をまとめ上げた。
包括的な貿易協定でイギリスの雇用を守り、EUの市場でイギリスの製品を
関税なしに売ることができる」と交渉の成果をアピールしました。
そのうえで「われわれの法律や運命を取り戻した」と述べ、合意の意義を
強調しました。
イギリスとEUは、新型コロナウイルスの感染拡大で経済に大きな影響を受け
ていて、合意できなければさらなる打撃になるとみられていましたが
今回の合意で、双方の間の貿易に年明けから広く関税がかかる事態は避け
られることになりました。
ことし3月に始まった交渉は、イギリスの海域での漁業権などをめぐって意見
が対立し、難航してきましたが、協定の締結期限が1週間後に迫る土壇場での
決着となりました。
イギリスとEUは今後、それぞれの議会での承認など必要な手続きを進めること
にしていて、自由貿易協定は来年1月1日から暫定的に適用される見通しです。
合意の主なポイント
イギリスとEUの合意の主なポイントです。
【関税ゼロは維持 通関手続きは必要に】
双方の貿易では来月以降もこれまでどおり関税ゼロが維持されます。
ただ、通関手続きは必要となり、双方の境界では混乱も予想されます。
【イギリス海域での漁業権】
イギリス海域での漁業権については、年明けから5年半の間「移行期間」
を設けます。
この間、EU側の漁船はこれまでどおりイギリスの海域で操業できますが
EUが漁獲枠の25%をイギリスに返すとしています。
移行期間が終了したあとは、毎年協議を行うとしています。
【公平な競争 ルールを合わせる】
EUは、イギリス政府が企業に多くの補助金を出したり、労働、環境など
の規制を緩和したりすることで、EUの企業が不利になることを懸念し
「公平な競争条件」を求めてきました。
合意では双方がルールを合わせることで一致し、守られなかった場合には
必要な措置をとるとしています。
フランス大統領 合意を歓迎
イギリスとEUが自由貿易協定などの交渉で合意に達したことについて
フランスのマクロン大統領はツイッターに投稿し「ヨーロッパの結束と断固
とした姿勢が、成果をあげた。合意はわれわれの市民や漁業者、そして
生産者を守るために極めて重要だ」と合意を歓迎しました。
ドイツ首相「歴史的意義」
ドイツのメルケル首相は24日、声明を発表し「歴史的な意義がある」として
歓迎しました。
また、協定によってイギリスとの新たな関係の基盤が生み出されるとした
うえで「イギリスはドイツにとってもEUにとっても引き続き重要なパートナー
であり続ける」としています。
交渉の経緯 3つの点で対立
イギリスがEUを離脱したことを受けて、双方は移行期間が終わる年明け以降の
関係を決めるため、ことし3月から自由貿易協定などの交渉に入りました。
しかし交渉は、イギリスが、みずからの意思でものごとを決めたいと主権に
こだわる一方、EUは、イギリスがEUの市場にアクセスしたいならEUのルールに
合わせるべきだと主張し、難航しました。
この根本的な立場の違いは3つの点で表面化しました。
その1つが、企業の公平な競争を確保するためのルールです。
補助金や環境、労働分野などでの規制について、イギリスは、離脱した以上
EUに従う必要はなく独自のルールを設けたいと主張。
これに対しEUは、経済的な関係が深いイギリスだけが企業に多くの補助金を
出したり規制を緩和したりすれば、公平な競争が維持できないとして
引き続きEUのルールに合わせるよう求めてきました。
また、イギリスとEUの間で貿易などをめぐる紛争が発生した場合の解決手段に
ついて、イギリスが、調停機関を新たに設けることなどを主張したのに対し
EUは、従来のEU司法裁判所で解決することを求めました。
さらに、イギリスの周辺海域での漁業権について、EUが操業する権利を最大限
確保しようとしたのに対し、イギリスは強く反発しました。
双方は、関税ゼロの貿易を行うことなど、ほかの多くの分野では意見が一致した
ものの、これら3つの点で互いに譲歩せず、対立し続けました。
移行期間の終了が迫った今月に入って、ジョンソン首相とフォンデアライエン
委員長は、電話や対面で繰り返し会談し、妥協点を探っていました。
日系企業 経営環境への影響は
ヨーロッパでは多くの日系企業が事業を展開していて、外務省によりますと
その拠点の数は、
▽ドイツで1800余り、
▽イギリスで900余り、
▽フランスでおよそ700に上りますが、
来年からこれらの企業の経営環境は変わることになります。
イギリスとEUが自由貿易協定の締結に向けて合意したことで、イギリスとEUの
間の貿易では、これまでと同様に関税や数量制限がかからないことになりました。
影響が特に大きいとみられていたのが自動車メーカーで、協定がないと乗用車に
10%の関税がかかるため、業界全体の打撃は新型コロナウイルスに匹敵すると
訴えてきました。
このため、合意に至ったことを自動車業界は歓迎しています。
ただ、今回の合意で関税ゼロの対象となる製品は原則として原産地がイギリスと
EUに限定されたため、日本などから輸入した部品を多く使うと対象外となる可能性
があり、メーカー各社は詳しい内容の確認に追われています。
合意を受けてトヨタ自動車は「この自由貿易協定で関税がゼロとなり、必要な
対応をとるために十分な時間が与えられるなら、競争力は維持できる」とコメント
し関税ゼロは幅広く実現されるべきだとしています。
さらに、イギリスは来年から、ものの移動が自由なEUの経済圏から抜けるため
双方の貿易で内容や数量などを申告する「通関手続き」が新たに必要になります。
業務が煩雑になるうえ、イギリスとEUの境界付近がしばらくの間、渋滞すると
見込まれることで、輸送の遅れによる影響を受けるおそれもあります。
イギリスとEU=ヨーロッパ連合は、ことし1月にイギリスが
離脱したあと続けてきた自由貿易協定などの交渉で、24日
合意に達し、双方の間の貿易に年明けから広く関税がかかる
事態は避けられることになりました。
イギリスのジョンソン首相とEUのフォンデアライエン委員長は
24日午後、それぞれ記者会見し、自由貿易協定の締結などで
合意したと発表しました。
フォンデアライエン委員長は「長く曲がりくねった道のりだった
が、われわれはついに合意に達した。
合意は公平で、バランスのとれたものだ」と意義を強調しました。
そのうえで「合意はイギリスの利益にもかなうと思っており
古くからの友人と新たな関係を始めるうえでの強固な基盤になるものだ。
『ブレグジット』は過去のものとなり、ヨーロッパは前に進み続ける」
と述べました。
ジョンソン首相も「われわれはこれまでで最大の貿易協定をまとめ上げた。
包括的な貿易協定でイギリスの雇用を守り、EUの市場でイギリスの製品を
関税なしに売ることができる」と交渉の成果をアピールしました。
そのうえで「われわれの法律や運命を取り戻した」と述べ、合意の意義を
強調しました。
イギリスとEUは、新型コロナウイルスの感染拡大で経済に大きな影響を受け
ていて、合意できなければさらなる打撃になるとみられていましたが
今回の合意で、双方の間の貿易に年明けから広く関税がかかる事態は避け
られることになりました。
ことし3月に始まった交渉は、イギリスの海域での漁業権などをめぐって意見
が対立し、難航してきましたが、協定の締結期限が1週間後に迫る土壇場での
決着となりました。
イギリスとEUは今後、それぞれの議会での承認など必要な手続きを進めること
にしていて、自由貿易協定は来年1月1日から暫定的に適用される見通しです。
合意の主なポイント
イギリスとEUの合意の主なポイントです。
【関税ゼロは維持 通関手続きは必要に】
双方の貿易では来月以降もこれまでどおり関税ゼロが維持されます。
ただ、通関手続きは必要となり、双方の境界では混乱も予想されます。
【イギリス海域での漁業権】
イギリス海域での漁業権については、年明けから5年半の間「移行期間」
を設けます。
この間、EU側の漁船はこれまでどおりイギリスの海域で操業できますが
EUが漁獲枠の25%をイギリスに返すとしています。
移行期間が終了したあとは、毎年協議を行うとしています。
【公平な競争 ルールを合わせる】
EUは、イギリス政府が企業に多くの補助金を出したり、労働、環境など
の規制を緩和したりすることで、EUの企業が不利になることを懸念し
「公平な競争条件」を求めてきました。
合意では双方がルールを合わせることで一致し、守られなかった場合には
必要な措置をとるとしています。
フランス大統領 合意を歓迎
イギリスとEUが自由貿易協定などの交渉で合意に達したことについて
フランスのマクロン大統領はツイッターに投稿し「ヨーロッパの結束と断固
とした姿勢が、成果をあげた。合意はわれわれの市民や漁業者、そして
生産者を守るために極めて重要だ」と合意を歓迎しました。
ドイツ首相「歴史的意義」
ドイツのメルケル首相は24日、声明を発表し「歴史的な意義がある」として
歓迎しました。
また、協定によってイギリスとの新たな関係の基盤が生み出されるとした
うえで「イギリスはドイツにとってもEUにとっても引き続き重要なパートナー
であり続ける」としています。
交渉の経緯 3つの点で対立
イギリスがEUを離脱したことを受けて、双方は移行期間が終わる年明け以降の
関係を決めるため、ことし3月から自由貿易協定などの交渉に入りました。
しかし交渉は、イギリスが、みずからの意思でものごとを決めたいと主権に
こだわる一方、EUは、イギリスがEUの市場にアクセスしたいならEUのルールに
合わせるべきだと主張し、難航しました。
この根本的な立場の違いは3つの点で表面化しました。
その1つが、企業の公平な競争を確保するためのルールです。
補助金や環境、労働分野などでの規制について、イギリスは、離脱した以上
EUに従う必要はなく独自のルールを設けたいと主張。
これに対しEUは、経済的な関係が深いイギリスだけが企業に多くの補助金を
出したり規制を緩和したりすれば、公平な競争が維持できないとして
引き続きEUのルールに合わせるよう求めてきました。
また、イギリスとEUの間で貿易などをめぐる紛争が発生した場合の解決手段に
ついて、イギリスが、調停機関を新たに設けることなどを主張したのに対し
EUは、従来のEU司法裁判所で解決することを求めました。
さらに、イギリスの周辺海域での漁業権について、EUが操業する権利を最大限
確保しようとしたのに対し、イギリスは強く反発しました。
双方は、関税ゼロの貿易を行うことなど、ほかの多くの分野では意見が一致した
ものの、これら3つの点で互いに譲歩せず、対立し続けました。
移行期間の終了が迫った今月に入って、ジョンソン首相とフォンデアライエン
委員長は、電話や対面で繰り返し会談し、妥協点を探っていました。
日系企業 経営環境への影響は
ヨーロッパでは多くの日系企業が事業を展開していて、外務省によりますと
その拠点の数は、
▽ドイツで1800余り、
▽イギリスで900余り、
▽フランスでおよそ700に上りますが、
来年からこれらの企業の経営環境は変わることになります。
イギリスとEUが自由貿易協定の締結に向けて合意したことで、イギリスとEUの
間の貿易では、これまでと同様に関税や数量制限がかからないことになりました。
影響が特に大きいとみられていたのが自動車メーカーで、協定がないと乗用車に
10%の関税がかかるため、業界全体の打撃は新型コロナウイルスに匹敵すると
訴えてきました。
このため、合意に至ったことを自動車業界は歓迎しています。
ただ、今回の合意で関税ゼロの対象となる製品は原則として原産地がイギリスと
EUに限定されたため、日本などから輸入した部品を多く使うと対象外となる可能性
があり、メーカー各社は詳しい内容の確認に追われています。
合意を受けてトヨタ自動車は「この自由貿易協定で関税がゼロとなり、必要な
対応をとるために十分な時間が与えられるなら、競争力は維持できる」とコメント
し関税ゼロは幅広く実現されるべきだとしています。
さらに、イギリスは来年から、ものの移動が自由なEUの経済圏から抜けるため
双方の貿易で内容や数量などを申告する「通関手続き」が新たに必要になります。
業務が煩雑になるうえ、イギリスとEUの境界付近がしばらくの間、渋滞すると
見込まれることで、輸送の遅れによる影響を受けるおそれもあります。
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