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2021-10-14

子どもの自殺 初の400人超

10-14 不登校は19万人以上で過去最多

昨年度、自殺した児童や生徒は初めて400人を超え
小中学生の不登校は19万人以上と、いずれも過去最多
となったことが分かりました。

調査した文部科学省は「極めて憂慮すべき結果で
コロナ禍による環境変化が大きな影響を与えている
ことがうかがえる」として、SOSを発信しやすい取り
組みが重要だとしています。

文部科学省は、全国の小中学校と高校、それに特別
支援学校を対象に不登校やいじめ、自殺などの状況
を毎年調査していて、13日、昨年度の結果を
公表しました。

それによりますと、自殺した児童生徒は小学生が7人
中学生が103人、高校生が305人となり、合わせて415人
と前の年度から100人近く増えて過去最多となりました。

また、学校を30日以上欠席した不登校の小中学生の人数は
前の年度から1万5000人近く増えて19万6127人と過去最多
となっています。

不登校の子どもの割合も、この10年で小学生は3倍に増えて
100人に1人に、中学生は1.5倍に増えて24人に1人となって
います。
また今回は、感染への不安によるいわゆる自主休校など
「感染回避」の目的で30日以上休んだ人数も初めて調査され
小中学生と高校生で合わせて3万287人に上りました。

文部科学省児童生徒課の江口有隣課長は「結果からはコロナ禍
による学校や家庭の環境変化が子どもの行動に大きな影響を
与えていることがうかがえる。特に自殺者の増加は極めて憂慮
すべき状況だ。SOSを発信しやすい取り組みを進めるとともに
登校できない子どもの学びの保障に努めたい」と話しています。

児童生徒の自殺の状況 最多は「不明」で半数超える
調査開始以降、最も多くなった児童生徒の自殺。
この10年で2.7倍に増加しています。

今回の調査では、自殺した415人の児童生徒の置かれていた状況
を複数回答で聞いていますが、最も多かったのは「不明」の
218人で全体の半数を超えました。

このほかでは
▽「家庭の不和」が53人
▽「うつ病などの精神障害で治療中」が46人
▽「進路の問題」が44人
▽「父母などの叱責」が33人
▽世の中に価値がないなどと悩む「えん世」が22人
▽「学業不振」が20人となっているほか
▽「いじめ」が12人となりました。

警察庁の調査では、昨年度は暫定で500人を超えていて
学校や教育委員会が把握していない事例がさらにあると
みられています。

不登校の要因 「無気力・不安」が最多に
8年連続で増え続け、19万6000人余りと過去最多となった
小中学生の不登校。

調査で「主たる要因」を聞いたところ
▽最も多かったのは小中学生ともに「無気力・不安」で
前の年度より7ポイント高くなって47%に、
続いて
▽「生活リズムの乱れなど」が、前の年度より
3ポイント高くなり12%でした。

▽「いじめを除く友人関係を巡る問題」は、前の年度より
4ポイント余り減って11%となりました。
欠席日数が年間90日以上の小中学生は10万7000人余りと
55%を占め、長期に及ぶケースが多くなっています。

30日以上学校を休んだ「長期欠席」の小中学生は全体で
28万7747人となっていて、「不登校」以外では

▽今回初めて調査された新型コロナウイルスへの不安など
から「感染回避」の目的で休んだ小中学生が2万905人だったほか
▽病気やけがによる入院や自宅療養で休んだ小中学生が4万4427人
▽保護者の無関心や家族の介護といった家庭の事情、それに連絡先
が不明なまま休んだ子どもは2万6255人に上っています。

パソコンや携帯電話など使った「いじめ」 は増加傾向
いじめは、過去最多となった前の年度より減少しましたが、パソコン
や携帯電話などを使ったいじめは増加傾向にあり、引き続き早期発見
や積極的な対応が求められています。

昨年度、認知されたいじめの件数は、小学校で42万897件、中学校で
8万877件、高校で1万3126件、特別支援学校で2263件と、合わせて
51万7163件となりました。

過去最多となった前の年度より9万5333件減っていて、全体としては
いじめの定義を変更した平成25年度以来、7年ぶりの減少となりました。

文部科学省は、コロナ禍により物理的な接触が減ったことや、休校で
授業日数が例年より少なかった学校もあったことなどが背景にある
とみています。

いじめの状況について複数回答で聞いたところ、
▽「冷やかしやからかいなど嫌なことを言われる」が最も多く59%
▽「軽くぶつかられたり叩かれたり蹴られたりする」が22%と続きました。

いずれも減少している中で、唯一件数が増えていたのが、
▽「パソコンや携帯電話などでひぼう・中傷される」で、前年度より
946件増えて1万8870件と、ここ5年で倍増しています。

いじめの発見のきっかけは、
▽「アンケート調査など」が55%と最も多く
▽「本人からの訴え」が18%
▽「保護者からの訴え」が10%
▽「担任が発見」は10%でした。

文部科学省は「いじめの認知件数が減った背景には、感染対策によって
物理的な接触の回数やコミュニケーション自体の減少があると考えられる
が、コロナ禍への対応に追われる教員が、子どもの声を十分キャッチでき
なかった可能性も否定できず今後も注視していきたい」と話しています。

増える「しんどい」子どもたち
不登校の子どもたちの居場所づくりを行う川崎市のNPO法人には、コロナ禍
で子どもや若者から「しんどい」と学校や家庭に関する相談が多く寄せられ
ています。

川崎市のNPO法人「フリースペースたまりば」は、不登校の子どもや引きこもり
の若者の居場所作りを長年行っていて、現在利用しているおよそ140人のうち
30人余りが、感染拡大以降に利用を始めたといいます。

ここでは、どのように一日を過ごしたいか、子ども自身が決めることを尊重
していて、勉強や楽器の演奏といった学びのサポートも受けられるほか
パズルやゲームをしたり、スタッフたちと作った食事を食べたりして、思い
思いに過ごしています。

このうち、この春から利用を始めた小学4年生の男子児童はコロナ禍で友人
関係に大きな変化があり、学校に通うのをやめたと言います。

男子児童は「前まで仲よくしていた友達から、急に『死ね』『ばか』と
言われるようになってとても嫌でした。先生に相談して仲直りしても同じ
ことの繰り返しで、朝学校に向かうときや帰り道でもたくさん悩み
おばあちゃんにも相談して、ここに来るように決めました。
今は友達もできて楽しい。毎日通っています」と話していて、学校の
オンライン授業もときどき受けるようになったということです。

また、不登校気味で、この夏から利用を始めた小学3年生の男子児童は
「引っ越す前まで一緒に遊んでいた友達とも、これまで年に1度はお泊まり
会をしていたけれど、コロナでできなくなってしまいました」と残念
そうに話していました。

去年7月から居場所を利用している小学5年生の男子児童は、コロナ禍で
授業時間を短縮していた期間は登校していましたが、通常授業が再開
してから通えなくなったといいます。

男子児童と一緒に訪れた母親は「一斉休校中には友達と遊べず、休校
明けも友達と遊ぶ機会が減りました。いろいろな考え方がありますが
勉強はあとからでもできるので、今は心が折れないよう平常時と同じ
ように友達とたくさん遊んで元気でいてほしい」と話していました。

NPO法人では、不登校や引きこもり、いじめなどの相談も当事者や
保護者から受けていて、コロナ禍で相談件数が2割ほど増えたという
ことです。

この中では「きょうだい2人、それぞれが不登校になった」とか
「父親との関係が悪化した」といった家族や学校の問題に関連した
相談が寄せられ、中には「しんどい」という子どもたちの声や
「死にたい、疲れちゃった」「いなくなりたい」といった、若者の
深刻な声もあがっていました。

NPO法人「フリースペースたまりば」の西野博之理事長は「子ども
たちは学校で友達と楽しく給食を食べることもできず、行事も中止
となり、抑うつ傾向で学校に行きたくないという相談は増えている。
物理的な距離が求められる社会の中で『人と人との心の距離』も
生まれてしまったのではないか。子どもたちは親や先生にも気を
使いながら生きています。学校でも家庭でもない第3の居場所で
受け止められることは必要で、『助けて』とことばにして訴え
づらくても誰かがSOSに気付いてあげなければならない。
私たちはみずからの弱さを出せる社会を作っていくことが重要だ」
と話していました。

専門家「子どもの状況 大人が想像している以上にストレス」
子どもや若者の心の問題に詳しい中央大学人文科学研究所の
高橋聡美客員研究員は「自殺の増加に関しては、1つはもともと
のリスク要因の『家庭不和』や『親からの叱責』がコロナ禍に
よるステイホームやテレワークで悪化したこと、もう1つは
リスクが高まった一方で、友達と会うなどのストレス対処法が
制限されこと、その両方が相まって増加したと考えられる。
不登校の子どもの増加は、コロナ禍で休みやすさが増した面も
あるかもしれないが学校に行く楽しみがなくなったことが大きい
と考えられる」と話しています。

そのうえで「コロナ禍で学校行事や部活動が制限され、友達との
接触が極端に減るといった、子どもたちが置かれている状況は
大人が想像している以上にストレスだと改めて認識し、もっと
子どもどうしが触れ合える機会を意識的に持つことが重要だ。
また、これまで子どものSOSを受け止めていたボランティア団体
の活動なども休止せざるをえない状況だったが、コロナ禍だから
こそ、リスクの高い子どもに対する支援を継続しなければならず
気持ちを話せる場など直接相談できる体制作りが重要だ」と指摘
していました。

    
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