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鉄道会社決算
05-30 9割近くが運輸事業で赤字 コロナで利用客減
東京証券取引所に上場する全国25の鉄道会社の昨年度の決算は
鉄道を中心とする「運輸事業」が9割近くにあたる22社で赤字
だったことが分かりました。
長引く新型コロナの影響による利用客数の落ち込みで、厳しい
事業環境が続いています。
東京証券取引所に上場するJR4社と私鉄21社の合わせて25社の
昨年度1年間の決算が今月までに出そろったことを受けて
内容をまとめました。
それによりますと、鉄道を中心とする「運輸事業」は、全体の
9割近くにあたる22社が赤字でした。
赤字額は、▽JR東日本が2853億円、▽JR西日本が1443億円
▽JR九州が222億円などとなっています。
運輸事業の赤字は、新型コロナウイルスの感染拡大前にあたる
2019年度は1社でした。
しかし、感染症の影響が長期化し、利用客数が落ち込んでいる
ことで、厳しい事業環境が続いています。
運賃収入の内訳を把握できた23社を見ますと、「通勤・通学定期」
の収入の合計は、2019年度と比べて22%の減少でした。
これに対し「定期以外」の収入の合計は、2019年度より44%減少し
旅行や出張の取りやめに加え、外国人旅行者の大幅な減少が一層響く
形となりました。
一方、25社の昨年度の最終損益は、19社が黒字を確保していて
運輸事業の業績悪化を不動産などの別の事業の収益で補っている
ことがうかがえます。
鉄道各社 収益確保に向け取り組み急ぐ
運輸事業の業績が悪化する中、鉄道各社は収益の確保に向けた取り
組みを急いでいます。
JR東日本は、昨年度、新宿駅近くに所有している地上18階建ての
オフィスビルを投資ファンドに売却しました。
来年度にかけて1000億円規模の不動産を売り出し、調達した資金を
再開発プロジェクトなどの成長分野に投資する計画で「回転型
ビジネスモデル」と名付けています。
また、大手私鉄の小田急電鉄は“シモキタ”の愛称で知られる
東京・世田谷区の下北沢での開発事業を5月完了させました。
線路を地下に移した跡地には、個人商店を集めた商業施設やミニシ
アターなどが建ち並んでいて、幅広い年齢層の人たちに電車で
訪れてもらい、収益を上げる戦略です。
買い物に来たという18歳の女子大学生は「お店がたくさんできて
歩いているだけでも楽しいです」と話していました。
このほかの私鉄では、首都圏の東急や京王電鉄、関西の近鉄グループ
ホールディングスや阪急阪神ホールディングスなどが沿線での
マンション販売に力を入れています。
新幹線に「ビジネスブース」
電車の空きスペースに「野菜」
収益確保に向けたあの手この手の取り組みはほかにもあります。
JR東海とJR西日本は、新幹線の一部の車両で喫煙室を改装し
「ビジネスブース」を試験的に設けました。
オンライン会議も可能で、利用客の新たなニーズに対応しています。
また、京浜急行電鉄は、ふだん運行している電車内の空いた
スペースに野菜などの貨物を載せて運んでいます。
まだ実験段階ですが、首都圏の在来線では珍しい「貨客混載」の事業
化を目指しています。
運賃値上げする動き相次ぐ
一方、利用客数の落ち込みによる収入の減少を、運賃の値上げでカバー
する動きも相次いでいます。
JR西日本は、来年4月から、京阪神エリアの一部区間の運賃を10円から
40円値上げします。
値上げは、消費税率の引き上げに伴うものを除けば、民営化後初めて
だということです。
また、JR四国は来年春にも、四国管内すべての路線で運賃を値上げする
方針です。
大手私鉄では、東急電鉄が来年3月から普通運賃を平均13%程度値上げ
します。
近畿日本鉄道も、来年4月から普通運賃の初乗りを今の160円から180円
にするなどの値上げを行う考えです。
さらに▽京王電鉄が早ければ来年度の後半に、▽京浜急行電鉄が来年度中
に、それぞれ運賃を値上げする方向で検討しています。
防災対策やホームドア設置のための資金確保の狙いも
運賃の値上げの理由は、収入の減少だけではありません。
鉄道各社は、▽安全面への継続的な投資に加えて、▽災害が相次ぐ中で
の防災対策、それに▽利用客の転落防止のために駅のホームに設置する
ドアなどのバリアフリー対策も進めていて必要な資金を確保したい狙いも
あるとみられます。
専門家「鉄道の強み ほかに波及させていくこと大事」
鉄道各社の経営動向に詳しい野村証券の広兼賢治アナリストは、コロナ禍
で人々の行動が変化したことで、鉄道の利用客数が感染拡大前の水準に
戻るのは難しいと予想しています。
その上で、収益力の回復に向けては「鉄道の強みをほかに波及させていく
ことが一番大事だ。利用客が『ここに行きたい』という街を提供したり
作っていったりすることができれば、鉄道をより使ってもらえるようになる。
こういう魅力があるからぜひ電車を利用してくださいという発信やコンテンツ
作りをする必要がある」と指摘しました。
東京証券取引所に上場する全国25の鉄道会社の昨年度の決算は
鉄道を中心とする「運輸事業」が9割近くにあたる22社で赤字
だったことが分かりました。
長引く新型コロナの影響による利用客数の落ち込みで、厳しい
事業環境が続いています。
東京証券取引所に上場するJR4社と私鉄21社の合わせて25社の
昨年度1年間の決算が今月までに出そろったことを受けて
内容をまとめました。
それによりますと、鉄道を中心とする「運輸事業」は、全体の
9割近くにあたる22社が赤字でした。
赤字額は、▽JR東日本が2853億円、▽JR西日本が1443億円
▽JR九州が222億円などとなっています。
運輸事業の赤字は、新型コロナウイルスの感染拡大前にあたる
2019年度は1社でした。
しかし、感染症の影響が長期化し、利用客数が落ち込んでいる
ことで、厳しい事業環境が続いています。
運賃収入の内訳を把握できた23社を見ますと、「通勤・通学定期」
の収入の合計は、2019年度と比べて22%の減少でした。
これに対し「定期以外」の収入の合計は、2019年度より44%減少し
旅行や出張の取りやめに加え、外国人旅行者の大幅な減少が一層響く
形となりました。
一方、25社の昨年度の最終損益は、19社が黒字を確保していて
運輸事業の業績悪化を不動産などの別の事業の収益で補っている
ことがうかがえます。
鉄道各社 収益確保に向け取り組み急ぐ
運輸事業の業績が悪化する中、鉄道各社は収益の確保に向けた取り
組みを急いでいます。
JR東日本は、昨年度、新宿駅近くに所有している地上18階建ての
オフィスビルを投資ファンドに売却しました。
来年度にかけて1000億円規模の不動産を売り出し、調達した資金を
再開発プロジェクトなどの成長分野に投資する計画で「回転型
ビジネスモデル」と名付けています。
また、大手私鉄の小田急電鉄は“シモキタ”の愛称で知られる
東京・世田谷区の下北沢での開発事業を5月完了させました。
線路を地下に移した跡地には、個人商店を集めた商業施設やミニシ
アターなどが建ち並んでいて、幅広い年齢層の人たちに電車で
訪れてもらい、収益を上げる戦略です。
買い物に来たという18歳の女子大学生は「お店がたくさんできて
歩いているだけでも楽しいです」と話していました。
このほかの私鉄では、首都圏の東急や京王電鉄、関西の近鉄グループ
ホールディングスや阪急阪神ホールディングスなどが沿線での
マンション販売に力を入れています。
新幹線に「ビジネスブース」
電車の空きスペースに「野菜」
収益確保に向けたあの手この手の取り組みはほかにもあります。
JR東海とJR西日本は、新幹線の一部の車両で喫煙室を改装し
「ビジネスブース」を試験的に設けました。
オンライン会議も可能で、利用客の新たなニーズに対応しています。
また、京浜急行電鉄は、ふだん運行している電車内の空いた
スペースに野菜などの貨物を載せて運んでいます。
まだ実験段階ですが、首都圏の在来線では珍しい「貨客混載」の事業
化を目指しています。
運賃値上げする動き相次ぐ
一方、利用客数の落ち込みによる収入の減少を、運賃の値上げでカバー
する動きも相次いでいます。
JR西日本は、来年4月から、京阪神エリアの一部区間の運賃を10円から
40円値上げします。
値上げは、消費税率の引き上げに伴うものを除けば、民営化後初めて
だということです。
また、JR四国は来年春にも、四国管内すべての路線で運賃を値上げする
方針です。
大手私鉄では、東急電鉄が来年3月から普通運賃を平均13%程度値上げ
します。
近畿日本鉄道も、来年4月から普通運賃の初乗りを今の160円から180円
にするなどの値上げを行う考えです。
さらに▽京王電鉄が早ければ来年度の後半に、▽京浜急行電鉄が来年度中
に、それぞれ運賃を値上げする方向で検討しています。
防災対策やホームドア設置のための資金確保の狙いも
運賃の値上げの理由は、収入の減少だけではありません。
鉄道各社は、▽安全面への継続的な投資に加えて、▽災害が相次ぐ中で
の防災対策、それに▽利用客の転落防止のために駅のホームに設置する
ドアなどのバリアフリー対策も進めていて必要な資金を確保したい狙いも
あるとみられます。
専門家「鉄道の強み ほかに波及させていくこと大事」
鉄道各社の経営動向に詳しい野村証券の広兼賢治アナリストは、コロナ禍
で人々の行動が変化したことで、鉄道の利用客数が感染拡大前の水準に
戻るのは難しいと予想しています。
その上で、収益力の回復に向けては「鉄道の強みをほかに波及させていく
ことが一番大事だ。利用客が『ここに行きたい』という街を提供したり
作っていったりすることができれば、鉄道をより使ってもらえるようになる。
こういう魅力があるからぜひ電車を利用してくださいという発信やコンテンツ
作りをする必要がある」と指摘しました。
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